K. 707

ニ長調のクレド(断片)K. 707

沃尔夫冈·阿马德乌斯·莫扎特

Silverpoint drawing of Mozart by Dora Stock, 1789
Mozart, silverpoint by Dora Stock, 1789 — last authenticated portrait

モーツァルトの《ニ長調のクレド》(断片)K. 707は、1787年にウィーンで書かれたとされる、ミサ通常文楽章(Ordinary)の一部として構想された作品の現存部分である。残された素材は全曲のミサを示すにはあまりに不完全だが、31歳のモーツァルトが晩年ウィーン期に到達していた典礼合唱書法の一端をうかがわせる。

判明していること

《ニ長調のクレド》K. 707として伝わるのは、ミサの Credo断片的に作曲した部分のみで、一般にウィーン、1787年の作とされる。[1] 本作は完成した上演可能な楽章ではなく、未完の典礼用素材として伝存しているため、現代の主要な参照カタログでも、完成ミサの一部としてではなく、主として断片として扱われている。[2]

伝記的に見ると、この年代は《フィガロの結婚》(1786)と、《ドン・ジョヴァンニ》(1787年10月にプラハで初演)の間にあたる、ウィーンでのきわめて演劇的な時期に位置づけられる。この時期、モーツァルトの宗教作品は概して臨時的で断続的なものにとどまっていた。[3]

音楽内容

現存部分から推測できるのは、ニ長調による信仰告白の冒頭であり、18世紀後半のウィーン的な語法に基づく合唱書法として構想されていたことだ。すなわち、直接的で公的性格が強く、長いテキストを明確な終止と強い調性感によって押し進めることを意図している。[1] 断片とはいえ、モーツァルトにおいて輝かしさや儀礼的な響きと結びつきやすいニ長調の選択は、親密な嘆願というより「信仰の宣言」としての Credo の修辞的機能によくかなっている。[4]

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[1] Wikipedia: List of compositions by Wolfgang Amadeus Mozart (entry includes K. 707 as a Credo fragment, with date/location summary).

[2] Caltech (T. A. Tan): Mozart sacred works list (includes K. 707 as a Credo fragment).

[3] Encyclopaedia Britannica: Wolfgang Amadeus Mozart biography (context for Mozart’s Viennese years and 1787 output).

[4] Wikipedia: D major (key characteristics and common associations in classical-era usage).