K. 613a

弦楽五重奏のための Allegro 変ホ長調(断片)K. 613a

par Wolfgang Amadeus Mozart

Unfinished portrait of Mozart by Lange, 1782-83
Mozart, unfinished portrait by Joseph Lange, c. 1782–83

モーツァルトの弦楽五重奏のための Allegro 変ホ長調(K. 613a)は、真作と認められながら未完に終わった楽章で、1784〜1785年のウィーンに位置づけられている。自筆譜は短い断片のみが現存し、ウィーン様式が急速に固まりつつあった時期、28歳の作曲家が室内楽をどのように構想していたかを垣間見せてくれる。

判明していること

Köchel番号 K. 613a のもとに、断片的な Allegro 楽章のみが伝わっている。インターナショナル・シュティフトゥング・モーツァルテウム(Internationale Stiftung Mozarteum)はこの作品を 真作現存未完 として目録化し、作曲時期を ウィーン、1784〜1785年 としている。[1] 同じ項目で、編成はモーツァルトの標準的な 弦楽五重奏ヴァイオリン2、ヴィオラ2、チェロ)と示される。[1]

現存資料の記述では、自筆譜は短い総譜断片(「Partitur: 2 Bl. (3 beschr. S.)」)とされ、記譜されたページがごくわずかであることを示唆している。[1] 現代の版では、モーツァルトの断片作品群(Neue Mozart-Ausgabe(新モーツァルト全集)Fragmente)の一つとして扱われている。[2]

音楽内容

目録データから確実に推し量れることは多くない。モーツァルトが、変ホ長調で、後に彼が豊かに展開してみせるヴィオラを厚くした五重奏のテクスチュアに向けて、快速な冒頭楽章を書き始めた(が完成させなかった)という点である。断片とはいえ、媒体の選択は示唆的だ。1780年代半ばのウィーンでモーツァルトは、室内楽における内声の扱いと対話的な対位法をいっそう深化させつつあり、五重奏に加わる第2ヴィオラは、まさにその表現的・和声的な広がりを与える存在だった。[1]

[1] Internationale Stiftung Mozarteum, Köchel-Verzeichnis entry for K. 613a (status, dating, key, instrumentation, source description).

[2] Digital Mozart Edition (DME), Neue Mozart-Ausgabe online pages: Series X/30/4 (Fragments) listing that includes K. 613a material.