ヴィオラ・ダ・ガンバのためのソロ(散逸)、K. 641
de Wolfgang Amadeus Mozart

ヴィオラ・ダ・ガンバのためのソロ(K. 641)は散逸した少年期作品で、作曲時期は1766年から1768年10月のあいだと暫定的に考えられている。これはヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756–1791)が10〜12歳ほどの頃に当たる[1]。楽譜は現存せず、事実上残っているのは題名のみであるため、作品の音楽的内容はもちろん、正確な編成さえも不明のままである。
当時のモーツァルトの生活
1766年、モーツァルトは10歳で、家族とともに西欧各地の主要な音楽都市を巡り、ヨーロッパ各地で公演を行った長期の「グランド・ツアー」から帰途についていた[2]。ケッヘル目録の項目では、ヴィオラ・ダ・ガンバのためのソロ(K. 641)を1766年〜1768年10月という幅のある時期に位置づけている。この期間、モーツァルト一家は再び主としてザルツブルクを拠点としつつ、さらなる旅や集中的な学習を通して、幼い作曲家の急速な成長がなお形づくられていた[1]。
音楽的性格
K. 641は「散逸」として伝わっているため、調性、形式、テクスチュア、あるいは技術的要求を語る手がかりとなる現存譜はない[1]。題名からは、ヴィオラ・ダ・ガンバを含む独奏曲が一つ以上あったことがうかがえるが、無伴奏作品だったのか、通奏低音/鍵盤の支えを伴う「ソロ」作品だったのかまでは確定できない。そのためK. 641は、少年期作品目録における確度の低い項目として捉えるのが妥当であり、復元可能な音楽像そのものよりも、モーツァルトの初期に結びついていた楽器やジャンルの幅広さを示唆する点において主として注目される。
[1] International Mozarteum Foundation, Köchel-Verzeichnis entry for KV 641 (status: lost; dating range; catalog details).
[2] Encyclopaedia Britannica: biographical overview of Mozart (context for 1766 and the family’s travels/return).