K. 670

序曲 ニ長調(断片)、K. 670

볼프강 아마데우스 모차르트 작

Miniature portrait of Mozart, 1773
Mozart aged 17, miniature c. 1773 (attr. Knoller)

モーツァルトの《序曲 ニ長調》(断片)K. 670は、作曲者が20歳だった1776年、ザルツブルクで書かれた未完のオペラ序曲スケッチである。現存するのはごく小さな自筆譜のみで、演奏会用の完成作品というより、モーツァルトの作業場を垣間見せる資料となっている。

判明していること

ケッヘル目録(Köchel-Verzeichnis)はK. 670を、真作であり、現存するものの未完成の《Ouverture in D》として、ザルツブルク、1776年の作品に分類している [1]。残された資料はモーツァルトの自筆譜で、“Ouverture per un’opera buffa”(「オペラ・ブッファのための序曲」)と明記されている。現存するのは、演奏用パート譜の一式やオーケストレーションまで整った完整の序曲ではなく、1枚(記譜された2ページ)の短いスコア/スコア断片(「Partitur: 1 Bl.」)にすぎない [1]。同項目は、この断片をモーツァルトの1776年のスケッチ資料(Skb 1776a)および《Neue Mozart-Ausgabe》のスケッチ巻での刊行にも関連づけている [1] [2]

音楽内容

K. 670は完成稿ではなく短いオペラ序曲のスケッチとして伝わるため、その「音楽」はオペラ・ブッファの幕開けに向けた出発点として捉えるのが最も適切だろう。ニ長調で始まるこの断片は、ザルツブルク時代のモーツァルトが身につけていたイタリア風序曲のレトリックに即して、華やかさと即効性を狙っていた可能性が高い。しかし、断片に残る素材は、序曲全体の構成を確信をもって復元できるほど十分ではなく、K. 670に関連する既知の完成スコアや後世の補筆完成も存在しない [1]

[1] International Mozarteum Foundation, Köchel-Verzeichnis entry for KV 670 (“Ouverture in D”, fragment): status, dating (Salzburg 1776), autograph description and ‘Ouverture per un’opera buffa’ note.

[2] International Mozarteum Foundation, Köchel-Verzeichnis entry for Skb 1776a (sketch sheet), showing K. 670 among the associated 1776 sketch materials and linking to NMA online.