ハ長調の声楽楽章(K. 669)
볼프강 아마데우스 모차르트 작

モーツァルトの《ハ長調の声楽スケッチ》K. 669は、1776年、作曲者が20歳のときにザルツブルクで書き留められた、短い無詞(テキストなし)の声楽スケッチである。《ハ長調ミサ》K. 258に関する書き込みが大半を占めるスケッチ葉に保存されており、独立した舞台作品の一場面というより、むしろモーツァルトの作業場をのぞき見るような希少な資料となっている。[1]
背景と文脈
1776年のモーツァルトはザルツブルクに雇用され、現地の教会音楽上の需要に応えるべく、折に触れて舞台作品にも関わりながら、急ピッチで作曲していた。K. 669は真作と認められた資料ではあるものの、内容は控えめである。すなわち、テキストを伴わない短い声楽楽章が、《ハ長調ミサ》K. 258のための書き込みが大部分を占めるスケッチページの最初の項目として書き写されているのだ。[1] そのため、これは公の舞台を意図したアリアというより、同ミサの一部分――とりわけ Gloria に向けた最初の発想、あるいは下書き――として理解するのが妥当だと考えられてきた。[1]
音楽的性格
歌詞の当てはめがないため、K. 669は完成された劇的な「ナンバー」というより、ハ長調による簡潔で歌いやすい対位法的/合唱的な着想として読める。スケッチの形をとりながらも、ミサ曲関連の素材の中に置かれているという事実は、モーツァルトが声楽のディクラメーションと合唱書法を試していたことを示唆する――それは1770年代半ばのザルツブルクにおける宗教音楽様式を支える、実務的な職人技そのものである。[1] この観点から聴けば、K. 669は、スケッチ、典礼的機能、そしてやがてより大きな場で花開くことになる、いっそう露わな劇場的衝動のあいだを自在に行き来できる作曲家としてのモーツァルトの発展の中に、自然に位置づけられる。
[1] Internationale Stiftung Mozarteum Salzburg, Köchel-Verzeichnis entry: KV 669 “Vokalsatz in C” (status, dating Salzburg 1776; textless sketch; conjecture of relation to Gloria of KV 258).