K. Anh.H 19,03

ハ長調のピアノのためのフィンガー・エクササイズ(K. Anh. H 19,03)

di Wolfgang Amadeus Mozart

Mozart from family portrait, c. 1780-81
Mozart from the family portrait, c. 1780–81 (attr. della Croce)

モーツァルトの《ハ長調のピアノのためのフィンガー・エクササイズ》(K. Anh. H 19,03)は、ごく小さな教育的性格の鍵盤小品で、自筆譜の資料として伝わっています。モーツァルテウムの目録ではウィーン作(1781年1月1日、より広くは「1780年末」とされることも多い)とされます。これは公の演奏会で主張を放つための作品というより、均質さ、独立性、明晰さを鍛えるために作られた型(パターン)からなる、モーツァルトの鍵盤生活の「実務・作業台」的側面に属するものです。

背景と文脈

1780年末から1781年初頭にかけて、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756–1791)は、職業的にも決定的な転機のただなかにありました。ザルツブルクでの雇用を背にし、ウィーンでフリーランスの音楽家・作曲家として自立しようとしていた時期です。独奏鍵盤(clav)のために書かれた短い鍵盤のfinger exercisesは、教えること、練習すること、そしてウィーンで求められる奏法のタッチや流暢さを磨き上げること――そうした環境に自然に収まります。モーツァルテウムの『ケッヘル目録』の項目では、この作品が現存し、全曲が揃い、自筆資料によって伝承されていることが述べられ、作曲年代をウィーンの1781年1月1日としています。[1]

音楽的性格

題名が示すとおり、K. Anh. H 19,03 は対照的な主題を備えた「楽曲」というよりも、途切れなく続く訓練として構想されています。ハ長調の簡潔な音型が、反復されるパターンの中で両手を一定に動かし続けるよう配置されています。表記(Neue Mozart-Ausgabe のピアノ小品巻に示される形)では、鍵盤上の素直なメカニクスが前面に出ています――順次進行、小さなポジション移動、そして音階に隣接する左右対称的な音型などが、均質な打鍵を促し、必要に応じて明確な指の置き換えが行えるように作られています。[2]

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[1] Internationale Stiftung Mozarteum, Köchel-Verzeichnis entry for “Finger exercises,” KV Anh. H 19,03: status, dating (Vienna, 01.01.1781), instrumentation, and source note (autograph).

[2] DME Mozarteum (Neue Mozart-Ausgabe Online), Table of Contents for NMA IX/27/2 (Piano Pieces, Vol. 2), listing “Finger exercises K. Anh. H 19/03 (626b/48)” with score images (pp. 171–172).