K. 692

フリーメイソンの歌 2曲(散逸)、K. 692

de Wolfgang Amadeus Mozart

Unfinished portrait of Mozart by Lange, 1782-83
Mozart, unfinished portrait by Joseph Lange, c. 1782–83

モーツァルトの《フリーメイソンの歌》2曲(K. 692)は、1785年にさかのぼるとされ、彼のフリーメイソン関係者のサークルと結びつけられている、散逸した声楽カノンの一対である。楽譜本文は現存せず、また作者帰属そのものも、近年の目録作成では疑わしいものとして扱われている。

現在わかっていること

ケッヘル目録はK. 692(K. 692/1–2)として2つの項目を記録しており、フリーメイソンの歌2曲――おそらくカノン――と説明し、年代を1785年としている。由来の場所については、現存する記載から確実には伝わっていない。[1] 自筆譜や初期写譜の現存は確認されておらず、そのため今日、資料にもとづいて作品を校訂したり上演したりすることはできない。[1]

資料的根拠がきわめて脆弱であることから、K. 692は真作性に疑義のある散逸作品とみなすのが妥当である。1785年のロッジでの音楽活動をめぐるモーツァルトの実際の言及を伝えている可能性がある一方で、二次資料における後世の誤った帰属を反映している可能性も同程度にある。[1] その年、29歳のモーツァルトはウィーンのフリーメイソン活動に深く関与しており、真作と確実に認められるメイソン関連作品として、《Maurerische Trauermusik》(「メイソンの葬送音楽」)K. 477(1785)などを作曲している。[2]

音楽内容

K. 692については、記譜された音楽(および信頼できる歌詞の付け方)そのものが現存しないため、旋律の特徴、実際の編成、対位法上の設計などについて、目録が示す「フリーメイソンのカノン」という一般的な記述以上に具体的なことは何も述べられない。[1]

[1] Köchel Verzeichnis (Mozarteum): entry for K. 692/1–2, “Two Masonic songs” (catalogue description; lost/doubtful work context).

[2] Wikipedia: Maurerische Trauermusik, K. 477 (context for Mozart’s securely attributed Masonic output in 1785).