K. 626b/01

4枚のスケッチ用紙(散逸)、K. 626b/01

de Wolfgang Amadeus Mozart

Silverpoint drawing of Mozart by Dora Stock, 1789
Mozart, silverpoint by Dora Stock, 1789 — last authenticated portrait

モーツァルトの《4枚のスケッチ用紙》(K. 626b/01)は、現存せず、記録も乏しい散逸資料で、少なくともカタログ上の配置という点では《レクイエム ニ短調 K. 626》に関連するスケッチ/断片の一群に含められている。楽譜本文は知られておらず、作成年月日・場所・調性・用紙の本来の目的はいずれも不明のままである。

判明していること

K. 626b/01は、現在のカタログ上の慣例では単に「4枚のスケッチ用紙(散逸)」と記されているにすぎない。すなわち、現在は所在を追えない4ページの一まとまりであり、その内容も実用的な形では何ひとつ伝わっていない(冒頭動機の提示=incipit なし、筆写譜なし、ファクシミリなし)[1]。そのため、これらの用紙に《レクイエム》(K. 626)の草稿素材が含まれていたのか、別作品のスケッチだったのか、あるいは後世に誤ってモーツァルトと結び付けられた非モーツァルト作品だったのかを確定することはできない。現存する記譜も来歴(provenance)も完全に欠けている以上、この項目は今日、モーツァルト晩年様式の確かな証拠としてではなく、むしろ真偽に疑いの残る散逸作品として扱うのが妥当である。

音楽内容

K. 626b/01については楽譜本文が現存せず、また、その記譜の内容(主題、編成の指示、和声の構想、さらには調性に至るまで)を信頼できるかたちで伝える記述も、参照しやすい基礎的な資料の一覧からは得られない[1]。したがって、その音楽的性格や《レクイエム》との関係について、近代のカタログ編纂において《レクイエム》周辺のスケッチ/断片群の中にまとめられているという(不確かな)連関を超えて、具体的に語れることは何もない[1]

[1] Wikipedia — Köchel catalogue entry list showing “626b/01 Four sketch leaves (lost)” among K. 626b items.