2声の同度カノン ハ短調(真作不確実)、K. Anh.H 10,23
di Wolfgang Amadeus Mozart

《2声の同度カノン ハ短調》(K. Anh.H 10,23)は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが26歳だった1782年のウィーンに結び付けられる短い声楽カノンである。帰属には疑義があるものの、現存する伝承はこの作品を、「Selig, selig alle(幸いなるかな、幸いなるかな、すべての人…)」という詞に基づく厳格な模倣のコンパクトな習作として伝えている。[1]
背景と文脈
1782年のモーツァルトのウィーンでは、劇音楽から室内楽に至るまで創作が隆盛を極める一方、カノンは対位法の実践にうってつけの場でもあった。初見で歌われ、友人同士の試みによって鍛えられ、魅力と同じくらい技巧が評価される音楽である。この小品は「2声の同度カノン」(単一の記譜行から、厳密な模倣によって2つのパートが生成されることを意図したもの)として伝えられるが、モーツァルト作品として確証はなく、真作不確実として目録に載せられている。[1]
歌詞の冒頭は 「Selig, selig alle …」 として伝わり、詩人ルートヴィヒ・ハインリヒ・クリストフ・ヘルティに結び付けられている。したがってこのカノンは、「主にあって眠りにつく者は皆、幸いである」という敬虔な慰めの情趣と連関し、モーツァルトのよく知られたカノンの中に見られる、土臭い社交的な陽気さとはかなり異なる響きを帯びる。[1][2]
音楽的性格
ハ短調で記され、無伴奏の2声のために構想されたこのカノンは、厳格様式によるミニアチュールである。単一の旋律線が一定の間隔で第2声に追いかけられるよう設計され、模倣が進むにつれて和声が「自動的に」立ち上がっていく。[3] そのアフェクトもまた凝縮され—劇的というより内省的—それでいて18世紀後半の社交的な音楽実践に典型的な、簡潔で歌いやすいフレーズによって明確に語りかける。作者が確定しないとしても、素朴なカノンの前提が、ほんの数小節のうちに表現上の重みを結び得ることを示す一作である。[1]
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[1] Digital Mozart Edition (Mozarteum): NMA III/10 Canons table of contents listing “Canon for two voices (“Selig, selig”, Hölty) K. Anh. H 10,23 (230; 382b)”
[2] The LiederNet Archive: Hölty text beginning “Selig, selig alle, die im Herrn entschliefen!”
[3] IMSLP: work page for *Canon for 2 Voices in C minor*, K.230/382b (general info: key, scoring, year, first publication notes)




