K. 33d

ピアノ・ソナタ ト長調(散逸)K. 33d ― 疑作

볼프강 아마데우스 모차르트 작

Mozart family portrait by Carmontelle, 1764
The Mozart family in Paris, 1763–64 (Carmontelle)

モーツァルトの《ピアノ・ソナタ ト長調》(K. 33d)は散逸作品であり、真作としても疑わしいと考えられている。伝統的には、作曲者が10歳だった1766年のザルツブルクに置かれてきたが、自筆譜や初期の写譜は現存が確認されていない。かつて存在したことは主として、ブライトコプフ&ヘルテルのネットワークに結びつく初期の主題目録に見られる痕跡から推定されるにとどまる。

当時のモーツァルトの生活

1766年、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756–1791)はザルツブルクに戻っていた。家族による長期の西欧巡演の余韻が残るなかで、家庭での演奏や学習のために、短い宗教曲や鍵盤作品を安定して書き続けてもいた。そうした環境でト長調の「ソナタ」が想定されるのは自然であり、家庭内の鍵盤音楽文化にも、レオポルト・モーツァルトによる子どもたちへの体系的な教育方針にも適っていただろう。

音楽的性格

作品が散逸しているため、今日その音楽内容を確実に描写することはできない。楽章構成や形式の骨格はもちろん、モーツァルト作とする帰属自体も定かではない。ただしこのソナタは、ブライトコプフ&ヘルテルの写譜目録をめぐる環境に残された冒頭主題(incipit)の伝承と結びつけて語られており、1800年頃、ナンネル・モーツァルトが、現在は失われた複数の初期鍵盤ソナタについて冒頭主題を提供したとされる [1] [2]

仮にK. 33dが1766年のザルツブルクで書かれた真作だとすれば、同時期のほかの簡潔で明るい長調の鍵盤曲と同じく、明瞭な楽句の対称性、平易な転調、そして高音域主導のテクスチュアから成る、若い作曲家(そして演奏者)としての才を、当時ザルツブルクで利用できた楽器で十分に発揮し得るタイプの音楽だった可能性が高い。とはいえ、目録上の痕跡以上の楽譜が何ひとつ残っていない以上、この作品は散逸作であり、真作性も疑わしいものとして扱わざるをえない。

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[1] Mozart.gr — summary of lost works; notes Nannerl’s 1800 communication of incipits for K. 33d–f to Breitkopf & Härtel.

[2] Digital Mozart Edition (Mozarteum) — New Mozart Edition preface to keyboard sonatas; discusses Breitkopf manuscript catalogue and the incipit tradition for lost early sonatas including K. Anh. 199/33d.