K. 69

教会ソナタ第3番 ニ長調(K. 69)

by Wolfgang Amadeus Mozart

Portrait of Mozart aged 13 in Verona, 1770
Mozart aged 13 at the keyboard in Verona, 1770

モーツァルトの《教会ソナタ第3番 ニ長調》(K. 69/41k)は、1771〜72年にザルツブルクで作曲された、簡潔な単一楽章の「書簡(エピスル)ソナタ」である。作曲時、彼はまだ15歳ほどだった。コンサートホールではなく典礼での使用を目的にした作品だが、それでも若き作曲家が初期古典派のソナタ様式に特有の端正なレトリックを、ミニアチュールの形式の中で試みていることがうかがえる。

背景と位置づけ

ザルツブルクでは、ミサの中で器楽が占める場所は明確でありながら、慎重に限定されたものでもあった。合唱による楽曲やグレゴリオ聖歌に加え、礼拝の特定の局面に短い器楽曲を挿入することができ、モーツァルトの時代にはそれがしばしばいわゆる Kirchensonate(教会ソナタ)を意味した。これは通常、書簡朗読(Epistle)と福音朗読(Gospel)の間に演奏されることから「エピスル・ソナタ」とも呼ばれる。モーツァルトはザルツブルク在任中、たいていは控えめな編成のために、この種の作品を17曲作曲しており、実用的なジャンルであると同時に、1770年代の快速で明晰な様式を試す実験室にもなっていた。2

《教会ソナタ第3番》は、そうした作品群の最初期に属する。短く機能的な曲ではあるが、K. 69のような作品が注目に値するのは、モーツァルトが簡潔な器楽の段落でいかに「語る」かを学んでいる姿を捉えているからだ。明確な終止、機敏な和声の転回、公的儀礼を思わせる気配――これらはいずれ、のちの協奏曲や交響曲を活気づける要素となっていく。

作曲と典礼上の機能

ケッヘル目録はK. 69をニ長調の Kirchensonate(K. 69/41k)として挙げている。ザルツブルクに結び付けられ、一般に1770年代初頭の作とされるが、資料によって1771年とも1772年とも記される。これは、舞台作品や協奏曲のように記録が比較的整っているジャンルに比べ、教会ソナタが日付まで精密に確定しにくいことを示す一例でもある。12

編成は、ザルツブルクの実用的な教会アンサンブルをそのまま反映している。ヴァイオリン2挺と、通奏低音(チェロ/コントラバス)を伴うオルガン――この一連の作品に通底する、いわゆる「ザルツブルク教会四重奏」のテクスチュアだ。2 オルガン声部は continuo としての支えにも、主導的な声部にもなり得るため、このジャンル特有の対話が生まれる。弦は明るく儀礼的な響きを担い、オルガンは和声を定着させつつ、音楽を前へ進める素早い語法の切り替えを明確にする。3

音楽構造

K. 69は単一楽章で、標示は Allegro2 ニ長調の選択は示唆的である。18世紀の儀礼的音楽において、この調は輝かしさと自信を帯びた印象を喚起し、ここでも典礼の中で短く気分を高める間奏としての役割にふさわしい。

多くの教会ソナタで、モーツァルトはソナタ・アレグロ形式(提示部・展開部・再現部)の論理を、わずか数分で終わるほどの長さに凝縮している。K. 69では、そのレトリックがとりわけ「要点を押さえた」ものになっている。素材は均整の取れた、つかみやすい単位で提示される傾向があり、和声の運動も、勢いを生むのに十分に活発でありながら、過度に自己主張することはない。ミサの儀礼行為と競い合うのではなく、それを支えるための音楽として理想的な姿勢である。

同様に重要なのが、オーケストレーションの節約をこのジャンルが教える点だ。低声部の上にヴァイオリンが2挺しかないため、作曲はテクスチュア(ユニゾンか模倣か)、音域、そして内声を補えるオルガンの能力によってコントラストを生み出さねばならない。結果として、規模は小さいが確かな手仕事に支えられた作品となり、必要性が明晰さを促している。

受容と遺産

モーツァルトがザルツブルクを去った後、教会ソナタは同地での慣例的な使用から次第に退き、同じ典礼上の箇所には歌われる要素が好まれるようになった。2 それでもこのジャンルは、ザルツブルクの制度的な音楽生活の中で「仕事をする」モーツァルトに関心をもつ演奏者・聴衆にとって、今日も価値が高い。K. 69は、10代の作曲家が厳密な実務上の要請に応えつつ、すでに固有の声を形作り始めていることを示している。

現代では、校訂譜や入手しやすいパート譜(パブリックドメインの楽譜を含む)の存在が、教会ソナタを再び流通へと押し戻した。とりわけ教会礼拝、ザルツブルクの典礼レパートリーの録音、あるいは弦とオルガンを伴う短めの古典派作品を求める演奏会で取り上げられている。3 単独で聴く《教会ソナタ第3番》は壮大な宣言ではない。だが、精緻に作られた小品であり、モーツァルトの大規模形式が、規律ある典礼に根ざした技法からどのように成長したのかを照らし出してくれる。

[1] Köchel Verzeichnis (Mozarteum): KV 69 — Church sonata in D

[2] Wikipedia overview: Mozart’s Church Sonatas (context, function, typical scoring; includes entry for K. 69)

[3] IMSLP: Church Sonata in D major, K. 69/41k (public-domain scores/parts; confirms work identity and scoring in common editions)