K. 495a

ピアノ三重奏曲 ト長調への楽章(K. 495a)

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト作

Unfinished portrait of Mozart by Lange, 1782-83
Mozart, unfinished portrait by Joseph Lange, c. 1782–83

モーツァルトの《ピアノ三重奏曲 ト長調への楽章》(K. 495a)は、ピアノ、ヴァイオリン、チェロのために書き始められた短い未完の断章で、作曲者30歳の1786年ウィーンに由来する、記譜された1ページのみが伝わっています。資料上では完成作《ピアノ三重奏曲 ト長調 K. 496》と密接に結び付けられており、ピアノ三重奏というジャンルを、より野心的な室内楽へと再構想していたまさにその時期のモーツァルトが、思考の途中にある姿を垣間見せてくれる稀有な例です。

背景と文脈

1786年のウィーンでは――《Le nozze di Figaro》初演(5月1日)と、夏の器楽プロジェクトの合間にあたる時期――モーツァルトは、活況を呈していた私的な市場で自ら演奏し販売できる、鍵盤中心の室内楽形式に集中的に取り組んでいました。現存する《Triosatz》(三重奏の楽章)K. 495aは真正の自筆断章で、クラヴィーア(鍵盤楽器)、ヴァイオリン、ヴィオロンチェロのためであることが明記されており、1ページの総譜草稿としてのみ残されています。[1]

研究者たちは長らく、この採用されなかった冒頭を、完成作《ピアノ三重奏曲 ト長調 K. 496》(1786年7月8日付)と結び付けてきました。ただし、この断章だけから両者の正確な作曲上の関係を立証することはできません。Neue Mozart-Ausgabeは従来どおり1786年という年代を維持しつつ、筆跡の観点から別の関連づけも提案されていることを注記しています。[2] [3]

音楽的性格

現存する譜面からは、快速楽章の冒頭(通常はAllegroと推定されます)が読み取れ、明確なト長調の枠組みと、モーツァルト円熟期の鍵盤三重奏に典型的な書法が示されています。すなわち、主要な主題提示や音型の推進はピアノが担い、弦楽器は、持続的に対位法的な独立性を保つというよりも、対話と補強の役割を果たします。記譜は、主題—応答—継続という冒頭の論旨を作曲者が組み立てている途中で筆が途切れたことをうかがわせ、完全な提示部・展開部・再現部の存在を確実に示す証拠は残っていません。[1] [3]

K. 496と並べて聴くと、K. 495aはある歴史的な事実をいっそう鮮明にします。1780年代後半の「完成された」三重奏曲は、最初から完璧な形で生まれたのではなく、試行的な書き出しや、途中で放棄された1ページといった過程を経て成立したのだということです。断片という形であっても、広がりのある協奏曲風の鍵盤書法を、3人という親密な編成へと移し替える彼の本能が、そこには確かに示されています。[2]

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[1] International Mozarteum Foundation (Köchel-Verzeichnis): KV 495a — work entry with dating, scoring, and source description (one-page autograph fragment).

[2] International Mozarteum Foundation (Köchel-Verzeichnis): KV 496 — work entry (Vienna, 8 July 1786) and contextual notes on Mozart’s keyboard chamber music.

[3] Neue Mozart-Ausgabe (NMA) VIII/22/2, Preface (English PDF): editorial discussion of the trio fragments KV Anh. 52 (K. 495a) and their traditional dating and proposed relationships.