ピアノ付き室内楽(断片)ハ長調(K. 387c)— 断片的スケッチ
de Wolfgang Amadeus Mozart

モーツァルトの《ピアノ付き室内楽》(断片)K. 387c は、ウィーン時代(1784〜86年)の作品とされる、鍵盤を主導とするアンサンブルの未完スケッチで、現存するのは自筆譜1ページのみである。古い目録では長らく別種の作品として説明されてきたが、現在では協奏曲の断片というより、室内楽の一楽章として理解するのが最も妥当だと見なされている。
判明していること
K. 387c は短い自筆断片として伝わり、29小節が残るのみである。国際モーツァルテウム財団の『ケッヘル目録』項目では、現存はするが未完の作品として収録されている。[1] しばしば(旧来の参考文献の系譜では)ピアノ協奏曲に属するものと説明されてきたが、『新モーツァルト全集』の解説はその見方を「確実に誤り」とし、より正確な同定は 「室内楽楽章」 だと論じている。[2]
同じモーツァルテウムの項目は、想定されていた編成についても最も具体的な手がかりを示している。すなわち 鍵盤(clavier)、ホルン2、ヴァイオリン2、バス である。これは18世紀後半のより広い文脈における Klavierdivertimento/初期のトリオ的伝統を想起させる組み合わせだが、モーツァルトはここではその型を試みたにとどまるようである。[1][2] 断片は ウィーン、1784〜86年、すなわちモーツァルトが概ね 28〜30歳 の時期に位置づけられ、ピアニスト=作曲家としての公的活動が最も勢いを得ていた頃に当たる。[1]
音楽内容
現存するのが29小節のみであるため、K. 387c は周到に展開された室内楽楽章というより、書き出しの一段落のように読める。すなわち、提示された冒頭の着想とその直後の継続が記され、想定された形式的な広がりを示唆するには十分だが、提示部が完結していたか、あるいは主題計画が完成していたかを確証するには足りない。資料の記述から推測される編成(鍵盤に弦とホルンを加える)によって、1780年代半ばのモーツァルトが生きたウィーン的な響きの世界——通常はピアノが主導し、伴奏声部が和声、色彩、リズムの輪郭を形づくる——が想起される。しかし、この断片はより大きな設計が疑いなく見えてくる前に途切れてしまう。[1][2]
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[1] Internationale Stiftung Mozarteum, Köchel-Verzeichnis entry for KV 387c (status, dating, and source description including instrumentation; notes fragment as extant/uncompleted).
[2] Digital Mozart Edition / New Mozart Edition (NMA) VIII/22/2, English preface/commentary discussing the 29-measure autograph fragment KV Appendix 55 (= K. 387c / K6 452b) and rejecting the older ‘piano concerto fragment’ description in favor of ‘chamber music movement’.




