K. 20

モテット《神はわれらの避け所》(K. 20)

von Wolfgang Amadeus Mozart

Mozart family portrait by Carmontelle, 1764
The Mozart family in Paris, 1763–64 (Carmontelle)

モーツァルトのモテット《神はわれらの避け所》(K. 20)は、英語テキストによる、無伴奏四声の短い合唱曲である。1765年7月、9歳の彼がロンドンで作曲した。しばしば大英博物館のための小さな「博物館的作品」とも呼ばれ、幼い作曲家が、落ち着いた、より古風に響く対位法的な教会様式を試みていることがうかがえる。

当時のモーツァルトの生活

1765年の夏、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756–1791)は一家のグランド・ツアーの途上でロンドンに滞在しており、神童として称賛され、演奏家としてだけでなく作曲家としてもたびたび公の場に登場していた。Mozart & Material Culture プロジェクトが伝える報告によれば、K. 20は大英博物館から自筆譜の提供を求められたことと結び付けられている。具体的には「英語の歌詞による四声の短い合唱曲」で、1765年7月初旬に提出されたという。[1] したがってこの作品は、定まった典礼実務の中で生まれたというより、モーツァルトがロンドンで接したイングランドの音楽機関や嗜好との出会いの産物とみなすべきだろう。

音楽的性格

題名が「ト短調のモテット」として紹介されることが多い一方で、現存する資料では調性の記載が必ずしも一致していない。いくつかの目録データや二次資料の一覧にはト長調とするものが流通しているが、よく参照される概説的なレファレンスではト短調とされる。[1][2] しかし、楽譜の「書かれ方」から確実に読み取れるのは、その編成と書法である。無伴奏四声(コンパクトなSATB型の合唱)として書かれ、詩篇46篇の冒頭「God is our refuge and strength…」に音節的に付曲されている。短い模倣的な入りと和音による終止が組み立ての核となっており、のちのザルツブルクの教会作品に見られるような、より劇場的で独唱中心のスタイルというより、モーツァルトが意識的にイングランドの聖楽語法を試していることを示唆している。[1][3])

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[1] Mozart & Material Culture (King’s College London): work entry for “God is our Refuge K20” (autograph for British Museum; four unaccompanied voices; July 1765 context).

[2] Wikipedia: “God is our refuge” (overview; commonly given as a motet/chorus in G minor, July 1765, London).

[3] IMSLP: score PDF for Mozart, KV 20, “God is our Refuge and Strength” (four-voice unaccompanied choral layout and text underlay).