K. 626c

ハ長調の指の練習曲 K. 626c

av Wolfgang Amadeus Mozart

Mozart from family portrait, c. 1780-81
Mozart from the family portrait, c. 1780–81 (attr. della Croce)

モーツァルトの《ハ長調の指の練習曲》(K. 626c)は、ごく短い教育目的の鍵盤作品で、自筆資料として伝わり、作曲者が24歳だった1780〜81年ごろのウィーンで書かれたものとされる。演奏会用の作品というより技術練習であり、音階的な動きの「譜面上の」メカニズムを、コンパクトで実用的な形に凝縮している。

背景と文脈

1780〜81年のモーツァルトはウィーンで活動しており、まもなく同地を主要な拠点とする決定的な移住へと向かう節目にあった。そうした大きな公的プロジェクトと並んで、現存する鍵盤作品の手稿には、練習や教授のために書かれた短い実用的な項目も含まれている。[1] 《指の練習曲》(K. 626c)はまさにこの私的で、作業台の上のメモのようなカテゴリーに属する。市場に向けて出版される「作品」ではなく、現存する自筆の1枚として残された短い練習曲なのである。[1]

音楽的性格

この練習曲はハ長調で、クラヴィーア/鍵盤のために簡素に書かれている。音楽素材は主題展開ではなく、基本的な順次進行とおなじみの指使いの型を中心に組み立てられている。[1] 目的は主として身体感覚にあり——手になじむ反復型を通じて、均一さ、独立性、そして明晰なlegatoを養うこと——同時に、モーツァルトの鍵盤書法の特徴にも通じている。すなわち、声部線の明確さ、そしてアーティキュレーションとバランスが露わになる透明なテクスチュアへの志向である。[2]

[1] Internationale Stiftung Mozarteum (Köchel-Verzeichnis): work entry for “Finger exercises” (Anh. H 19,03 / KV⁶ 626b/48) with key, dating (Vienna, 1781), and source information (autograph leaf).

[2] IMSLP: “Fingerübungen, K.626b (Mozart)” — public-domain score access and basic work identification used here only for general orientation to the item as an exercise/study for solo keyboard.