ハ長調の音楽のサイコロ遊び(K. Anh.H 24,11)
de Wolfgang Amadeus Mozart

モーツァルトの《ハ長調の音楽のサイコロ遊び》(K. Anh.H 24,11)は、短い鍵盤用断片を集め、偶然の組み合わせによって一つの舞曲を作り上げるための素材集である。18世紀のサロンで楽しまれた遊戯の一種で、単独の「完成された」ピアノ曲というよりは余興に近い。しばしば1787年ウィーン作とされるものの、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756–1791)との関係は確実とは言いがたい。
背景と文脈
1787年、モーツァルトは31歳を迎えようとしてウィーンに住み、オペラ、室内楽、鍵盤作品の作曲に多忙を極めていた。その年に結び付けられる《音楽のサイコロ遊び》は、「偶然による作曲」という当時の流行の一端に属し、あらかじめ書かれた小節を、単純な選択規則(しばしばサイコロ)に従って組み合わせ、舞曲を完成させるというものだった。最もよく知られた出版伝統では、この種のサイコロ遊びがモーツァルト作とされるが、その帰属は確証されておらず、現代のカタログでは付録扱いとされている。[2]
音楽的性格
譜面上の「作品」は、途切れなく書かれたスコアというより、ハ長調の1小節単位の断片を集めたモジュール式の“部品箱”である。これらを縫い合わせることで、整った周期性をもつ舞曲(典型的にはワルツ風の楽句)となり、予測しやすい終止と四角いフレーズ感が得られるように作られている。[2] 断片は明快な主和音―属和音の和声を基調とし、簡素な伴奏の上に素直な右手旋律が置かれる。また、どの小節を選んでも次へ自然につながって聞こえるよう、意図的に均質な様式が保たれている。
このように削ぎ落とされた語法であっても、出来上がりは鍵盤において心地よく慣用的に響きうる。簡潔で左右対称、動機展開よりも即時に弾けることに重きが置かれているためだ。サイコロ遊びの伝統に結び付く現存の筆写譜資料には、膨大な数の短い断片が収められているが、(決定的に)明確な使用手順が記されていない。したがって、仮にモーツァルトが関与していたとしても、彼がどのように用いる意図だったのかを断定的に復元するのは難しい。[2]
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[1] Mozart Portal composition entry for K. Anh.H 24,11 (catalog data, key/date/place as commonly given)
[2] Wikipedia: Musikalisches Würfelspiel (overview of the dice-game system, publication tradition, doubtful attribution to Mozart, and description of fragment-based construction)
[3] IMSLP: Musikalisches Würfelspiel, K.516f / K. Anh. 294d (general information: key C major; composition year often given as 1787; score availability)




